エディー・ジョーンズは、いかなる観念的な議論にも与しない。書評:『ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話』 @500zoo

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気鋭の分析家・五百蔵容(いほろい・ただし)さんによる、スポーツ書籍・雑誌の書評コーナー。第一回となる今回は、ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 (Sports Graphic Number Books) を取り上げさせていただきました。

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もし録画を残している方がおられたら、振り返ってみていただきたいシーンがあります。2015年ラグビーワールドカップ、日本代表VS南アフリカ代表、後半67:57。南アフリカ陣内に進入した日本代表のラインアウトからの一連のシーンです。

ラインアウトのボールをクリーンにキャッチしてスピーディに展開。ブラインドサイド(ラインアウトを行った側)のウィング松島を背後から中央に走り込ませ、相手のインサイドセンター、アウトサイドセンターのエリアで数的優位を作りパス交換でラインブレイク。そこから大外のフルバックをひとつのパスで殺せるポイントまで一気に持ち込み、完全にフリーとなった五郎丸にボールを運んでインゴールを陥れました。

ここでトライを取り、ゴールも成功させ同点に追いついたからこそ、試合終了直前の逆転トライが勝利をもたらすものになりました。エディー・ジョーンズがコーチングしてきたラグビー日本代表が獲得した、いくつもの長所が現れている象徴的なトライシーンだといえます。

このシーンで現れている長所。それは以下の3つにまとめることができます。

1)時間・エリア・彼我のプレー傾向を判断し、戦略的に戦うこと
2)日本代表の特徴である技術・スピード・緻密さを活かすこと
3)上記の要素を試合の最終盤まで活かすため、列強と互すフィジカルとフィットネスを得ること

このトライシーンでそれぞれの長所がどう機能したか、具体的に読み解いてみます。

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