【前編】“こやのん”が語るクラブ経営の難しさとやりがい。 小谷野薫(サンフレッチェ広島前社長)#sanfrecce

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2012-11-27 18.13.53
――サッカー自体もインバウンドの観光資源としてすごく有望だという話もありますね。

小谷野 私も実際にアウェイを含め、実は2012年の社外取締役をやっていたときから全試合行ってたんですけど、広島の試合やアウェーの試合を東京の仕事の合間に深夜バスに乗って行ったりしていました。3年間チームに帯同したら、チームの追っかけをやっている人たちの気持ちが少しわかるようになったかもしれません。

――それはどういった部分ですか?

小谷野 やはり、1試合1試合に週末を迎えるのが大変だけど待ち遠しくなる訳です。あとは、試合に入っていくプロセスそのものを楽しむ感覚とかね、アウェイツーリズムにハマる人というのが熱烈なコアサポだけでなくて、Jリーグでも着実に増えているのはそういう部分なのだろうと思います。

――Jリーグにはツーリズムとしての魅力もあると。

小谷野 仕事でありながら、Jリーグの良さとして僕自身楽しませてもらったのは間違いありません。

――1つに絞るのは難しいと思いますが、あえて一番印象に残っている場所はどこですか?

小谷野 どこもみんな印象的ですけど、新潟、大分、徳島や仙台でしょうか。すごく印象に残っていますね。社長を辞めてしまったので、今年の松本には行けないのは残念です。瀬戸大橋を越えて徳島に入ったり、大分でドームを閉めきって蒸し暑い中で試合をやったり、いろんなことをやりましたからね。あと、これは社長になる前ですが2012年の森崎浩司の復活ゴールの札幌戦、厚別でやったものすごい突風の中での試合とか。サッカークラブそのものは主催ゲームを盛り上げようとしようとしていろんな演出とか企画を打ちますが、加えて行ったり帰ったりする道すがらも含めていろいろなハプニングがあります。なので、アウェイツーリズムにハマる人はまだまだ増えると思います。

――そのクラブ運営の考え方というのは、最寄り駅からスタジアムまでを動線含めどうデザインするかを考えるべきだと。

小谷野 コアサポーターからライトなサポーターまで、「そこにいけば何かがある」という空間や時間の創出はこれからもっとやってほしいですね。そういう楽しい空間をどう創出するかというところは、他のエンターテイメント産業やプロ野球なども含めてよく見習う必要があるかなと思います。私はコンフェデ杯とワールドカップと2回ブラジルに行きましたが、本当に海外におけるイベント会場やその周辺でのホスピタリティやお金の使わせ方には学ぶところが多いと思います。別の言い方をすれば、サッカーツーリズムの可能性は日本で想像されている以上に大きいと思います。

冒頭の話に戻りますが、エディオンはプロ野球でいうと、主に4つのチーム、カープ、ドラゴンズ、ファイターズ、バファローズのスポンサーをやっています。サッカーでいうとサンフレッチェ以外にもFC岐阜とツエーゲン金沢のスポンサーにもなっています。ツエーゲンのショーツには『100満ボルト』と広告が入っていますが、これはエディオンの子会社のサンキューが展開している家電量販店で、私は同社の取締役にも就きました。

金沢のGMの西川さんとも今度お会いしていろいろお話しすることになっていますが、元サンフレッチェの辻尾真二選手も頑張っているので、彼のレプリカユニフォームを今度ゲットしようかなとか思っています(笑)。サンフレッチェの経営からは直接的には外れましたけど、今後はスポンサーとしての立場でいろいろなクラブや競技に関わっていくことになろうかと思います。その中で得られた知見を、サンフレッチェを始めとする私が関わっているクラブとか、Jリーグの方々にも共有してけたらいいなと思っています。

――個人的には、小谷野さんみたいな方にゆくゆくはチェアマンになってほしいなと思っています。

小谷野 もうエディオンの経営のことしか頭にはありませんが(笑)、村井チェアマンのお話でいうと、先月半ばにJリーグにエディオンの取締役就任のご挨拶に行きましたが、今年から始まったサッカー経営者の育成スクールである『Jリーグ・ヒューマンキャピタル』のコースでケーススタディを発表する際の講評者になってくれないかという要請を受けました。それ以外のJリーグの社長経験者の方も参加されるようですが、私も可能な範囲でお手伝いしたいと思っています。

また、正式発表されましたけども、堀江貴文さんとか夏野剛さん、冨山和彦さんを始めとする方々が、今度Jリーグのアドバイザーになりましたね。村井チェアマンも賛否があることを承知で、話題作りも含めてこの話に踏み込んでいると思います。厳しい発言や、ぶっ飛んだ発言も出てきそうですが(笑)、フレッシュな視点の方々との会話が仮にJリーグを通じてできるとすれば、私自身にとっても経営の知見を深めていける機会になると思います。

選挙が終わった後、いくつかの大学から「先生をやらないか」などの話を頂きましたが、私はまだ50代前半なので、まだ経営の現場でやるべきことは数え切れないくらいあると思っています。そして、エディオンを支えるべく必死で仕事をする一方で、空いた時間ではJリーグやサッカーの経営に微力ながら貢献したい気持ちはあります。

先ほどの『Jリーグ・ヒューマンキャピタル』の件を受けたのも理由は単純です。ケーススタディの発表会となるとどうしても社会人の受講生もいらっしゃるので、土日になりますよね。となると、Jリーグの日程にかぶりますから、現役のJクラブの社長さんはほぼ出席が難しいんです。これでは事務局は大変だなというので、「日曜日と祝日で私の仕事がない日ならお手伝いしますよ」とお答えした次第です。

>>【後編】小谷野薫(サンフレッチェ広島前社長)インタビュー

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